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乗換率がグングン上がる!今すぐできる新車販売店のCRM手法

【サブスクプランでも顧客流出の危機!?】
乗換率がグングン上がる!今すぐできる新車販売店のCRM手法

コラムテーマ:業績アップ

船井総合研究所 モビリティ支援部 マネージャーの加藤です。
日頃よりメルマガ・コラムをご愛読いただきまして、
誠にありがとうございます。

さて、いまや大手・中堅・中小等企業規模を問わず
全国の販売店において新車のサブスクプランを前面に出した
販売形態が主流となってきました。
このサブスク形態の普及は主にマイカーリースプランの
全国的な量販によって後押しされているわけですが
当時を振り返ると、特に2017年~2019年の3年間で
大きく契約台数を伸ばした店舗が多かったように感じます。
7年プランの登場と全国的な露出度増、受注件数増が一気に加速した時期です。
当時の“7年後” = つまり2024年~2026年、
まさに今、ピークを迎えていることとなります。

そこで今回は、全国の「売れている」新車販売店の現場最前線において
日々発生しているマイカーリース契約の満了事例から見る
特徴および今後に向けた対策を解説いたします。

 

顧客流出へ大きな危機感を持って取り組むべし

以前のコラムにおいて、
①契約満了時の「新車乗換」を推奨すべし
②満了時の「乗換」誘導に際し、早期アプローチに励むべし
(5年プランであれば2年目から、7年プランであれば4年目からが目安)
③店舗からのアプローチ期間においては“想定9ラベル”を振り、顧客の選択を予測すべし

これらについて詳細を解説いたしました。

今回は上記についての詳細は割愛し、
先述の方針を前提としたより具体的な対策に迫ります。
是非、最後までご覧ください。

 

全国の新車販売店で起きている現状

まず、マイカーリースプランを取り扱う、
さらには契約満了件数のピークを迎え始めている全国の新車販売店で
起きている事象・現状から整理します。

マイカーリースプランの原契約満了時の選択肢は
(オープンエンド方式を採用する多くの店舗の場合)
① 車輌を返却し、当店で新しい車輌へ乗り換える
② 車輌を返却するのみ(保有車輌を減らす又は他店で乗り換え)
③ 車輌を再リース契約し、乗り続ける
④ 車輌をユーザー自信が買い取り、乗り続ける
大きくはこの4つのパターンが考えられます。

かねてより、
「①乗換」の目標割合を60%まで引き上げましょう
という点については触れてきたと思います。

しかしながら、
現在多くの新車販売店で同数値を算出すると
軒並み40%~50%程度に落ち着く店舗が多く見られます。
KPIとして設定した60%どころか、
50%を下回ってしまう店舗も少なくない状況です。

考えられる要因は2点。
1点目は、
再リースの比率が従来の想定を上回っている店舗のケース。
主に、顧客へ乗換誘導を推し進めていく頻度が少ないことが原因です。

2点目は、ユーザー買取の比率が従来の想定を上回っている店舗のケース。
主に、顧客へ乗換誘導を推し進めるタイミングが遅いことが原因です。

それぞれ、店舗によって特徴はありますが
多くの場合で
・取り組みが遅い、遅れている
・取り組みが継続できない
という理由が結果的に乗換率を上げきれない要因になっています。
そもそも乗換率が数字になっていない店舗も多いのではと想像します。
体感値にはなりますが、
「うちは乗換率は60%くらいですかね」
「半分は乗換になってるんじゃないかな」
という店舗ほど、実際に数字で表してみると
概ね10~15ptほど予想値を遥かに下回るというケースも多く感じます。

では、どのような取り組みを進めていけば乗換率を押し上げることが可能なのか。
今回はポイントを2点取り上げます。

 

ポイント1:乗換率を “リアルタイム” 見える化しよう

まずは、「乗換率」を見える化してみましょう。
これがはじめの一歩です。
算出式は下記の通りとなります。

(A)満了時乗換率 = 原契約満了到来数のうち乗換確定数 ÷ 原契約満了到来数 × 100

ご覧の通り、現時点で満了を迎えた件数のうち、
「乗換」と確定した件数の割合を指します。
これはつまり、早期乗換、乗換予定等の将来機会は
乗換率の子数には含まないということです。
こちらの算出式で数値を導き出してほしい背景には
満了日起点で算出した方がより現状が正確に把握できるという点を考慮しています。

既述のような「早期乗換」件数を多く抱えている店舗は
下記式でより現状を正確に把握することも推奨します。

(B)乗換予定率 =
{原契約満了到来数のうち乗換確定数 + (C)早期乗換確定数 + (D)乗換予定層}
÷ 原契約48ヵ月到来総数(満了数含む) ※7年プランの場合

当然、(C)および(D)については分母と同様に
原契約48ヵ月到来していることが条件となります。

(A)乗換率によって現状を把握し、
(B)乗換予定率によって今後の見通しを分析していくことができます。
同時に、自社の傾向も判明します。

 

ポイント2:“想定9ラベル”を活用した施策を推進しよう

ポイント1で解説した(D)乗換予定層については、
2023年4月4日のコラムにおいて詳細を解説した
“想定9ラベル” を活用したCRM運用によって炙り出されます。

7年プランの場合、乗換へ誘導するうえでの早期アプローチの起点を
4年、つまり48ヵ月を経過したタイミングからにしてほしいという話は
先述の通りになりますが、
原契約48ヵ月時点から上記ラベリングを進めるべきです。

これが遅れると、乗換アプローチの遅延に繋がり、
ユーザー買取比率および再リース比率の上昇により
結果的に乗換率が圧迫されてゆきます。

このようなラベリングをしていると、
自社の傾向が見える化されることと同時に
ユーザー特性に沿った対策を立てることが可能です。

例えば再リース検討層が膨れ上がる可能性が高い場合。
(目安:再リース検討層が15%以上ある場合は危険信号)
この場合はまだ立て直しが十分に可能な状態です。
原契約満了1年前を目途に、新車に乗り換えるメリットを訴求し続けることで
お客様にとってのメリットが大きいこともあり、誘導しやすいはずです。
一方で、原契約満了1年を切ると
再リース検討層の割合がより増加していくという統計も出ています。
もともとは “煩わしいこと” を敬遠し、
サブスクプランを選んでいる客層ですから、
“新車に乗り換える手続き” もしくは
その検討自体が煩わしいと感じる客層でもあるのです。

なお、万が一「再リース」という選択肢をお客様が選ばれたとしても、
しばらくは自社の顧客で居続けることになるため、
そこまで焦る必要はありません。

次にユーザー買取検討層が膨れ上がる可能性が高い場合。
(目安:ユーザー買取検討層が15%以上ある場合は危険信号)
この場合はいささか厄介です。
なぜなら「買取」を選んだのち、
自社の顧客で居続ける保証がないためです。
他社で車輌を売却するケースも出てくるかもしれません。

買取を選択しているユーザーの特性は
・走行距離が規定をオーバーしそう
(だから買い取らざるを得ないと思い込んでいる)
・使用頻度が多いため車輌状態が内外装共に劣化している
(から買い取らざるを得ないと思い込んでいる)
・そもそも上記を念頭において低残価を設定している
(から買い取らざるを得ないと思い込んでいる)

このようなケースが多いです。

同時に、この数年間で外部環境は
・オークション相場が高騰し中古車買取額は高額化している傾向にある
・原契約満了を待たずした早期乗換が可能となっている

という消費者にとっては追い風の状況となっていることもあり
原契約48~54ヵ月という比較的早めのタイミングを目途に
店舗買取、乗換という新しい選択肢、価値を付加していくことを
進めていかなければなりません。


いかがでしたでしょうか。
本日は全国の新車販売店で起きている事象・現状について、
また、リース契約の満了を迎えている店舗の「先進事例」を
ご紹介いたしました。

 

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このコラムを書いたコンサルタント

加藤 智 (かとう さとし)

大学卒業後、船井総合研究所に入社。歯科医院・治療院・調剤薬局のコンサルティング部門を経て、モビリティ支援部に配属。 モビリティ支援部では、マイカーリースに特化したスタートアップオープン支援および販売台数アップ支援を担当している。特に販促物の作成や店舗作り、細やかな数値分析には多くの経営者より定評がある。

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