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中小企業のレンタカー事業が陥りやすい落とし穴と成長のための着眼点

コラムテーマ:業績アップ

いつもお世話になっております。
株式会社 船井総合研究所の宮原です。

今回のコラムでは、
中小企業が運営するレンタカービジネスが直面しやすい課題点とそれを克服しているモデル企業の事例をご紹介させていただきます。
是非、コラムの最後までご覧くださいませ。

 

レンタカー事業で陥りがちな落とし穴

中小企業がレンタカー事業を運営する場合、前提として大手のレンタカー会社に対してブランド力が劣ることが多いです。また、大手は駅前の好立地に店舗を構え、観光客などの一般消費者にとって利便性が高いことが特徴です。一方、中小企業の場合は駅前や空港内のカウンターに店舗を持っているケースは珍しく、送迎やお客様に出向いてもらう必要があります。このような状況下で大手レンタカーと同じように観光客をターゲットにし、同一の価格帯で商品を構成するとお客様に選ばれにくくなります。大手と差別化し、継続して勝てるレンタカー事業にしていくためには狙う客層、商品、販促、価格において戦略を変えていくことが重要です。

 

レンタカー事業成長のキーワードは「低価格」と「法人需要」

中小企業のレンタカー事業で大手と差別化する際に最初に考えたい観点はターゲット・商品・価格です。価格の観点では大手よりも安い価格でレンタカーを提供し、差別化を図ることが有効です。とはいえ、同じ商品を大手よりも安価で提供すると利益率が悪化してしまいます。その際に活用したいのが「低年式中古車」と「長期貸出し」です。下取り等で仕入れた低年式の中古車であれば原価が安く、大手の半額以下で貸出ししても十分な収益が見込めます。実際、中古車を使用して格安レンタカーを提供するフランチャイズに加盟する企業も増加しています。その他にも大手と同等の品質の車両を長期レンタルで提供し、1日当たりの価格を大手よりも安く設定するという差別化方法があります。こちらは大手と同品質の車両でも長期貸出しをすることで、稼働率が上がりやすくなるため、1日当たりの価格を抑えても収益性を確保できるというモデルです(本コラムの後半にモデル事例をご紹介します)。
価格以外にもう一つ重要な観点は、「誰に」レンタカーを貸すかです。大手レンタカー会社の多くは駅前などの好立地に店舗を構え、観光客などの一般消費者を主なターゲットとしています。ポータルサイトやWEB広告での販促やブランド力に勝る大手はこのターゲットを得意としています。一方で地域の法人企業に対しては綿密な営業活動ができているケースは少なく、中小企業が狙っていきやすい客層です。地元の法人向けに特化したレンタカー事業を構築できれば大手との差別化になるうえに、低価格の長期貸出しレンタカーとの相性が良いことも中小企業にとって取り組みやすい点です。

 

郊外の立地でも成長を続けるモデル企業のご紹介

ここからは郊外の立地でも独自のビジネスモデルでレンタカー事業を成長させているモデル企業の事例をご紹介させていただきます。
株式会社ディープレスト様では人口7.4万人の郊外で長期貸出しに特化した独自のレンタカービジネスを展開し、在庫台数200台、売上2.5億円を実現されています。
代表取締役の中川賢一氏が会社を創業する際、学生時代の恩師からのアドバイスをもとにウィークリー・マンスリーといった長期貸出し専門のレンタカー店を立ち上げました。

ディープレスト様のレンタカービジネスモデルには長期専門という以外にも3つの特徴があります。

特徴①:顧客の7割が法人で稼働率70~80%
長期貸出を中心としていることから、利用する客層は70%程度が法人顧客となっています。繁忙期と閑散期がはっきりしている業種や単身赴任のビジネスパーソンへの貸出しが多くあります。購入やリースで固定費を増やしたくないというニーズや突発的に車が必要になるというニーズをうまく取り込み法人顧客を増やすことが出来ています。
また、リピート率が高いことも特徴です。

特徴②:大手レンタカー会社の半額程度の値付け
価格設定は大手レンタカー会社が同期間貸し出した場合の半額程度の値付けとなっており、価格力でも差別化を図っています。長期貸出だからこそ1日当たりの単価が安くなっても、トータルの売上では収益性が高くなるという仕組みです。

特徴③:配送での貸出し対応により立地が悪くても集客できる
ディープレスト様の店舗は駅から車で10分以上かかる郊外に位置しています。一般的なレンタカーモデルであれば駅前立地の大手レンタカーに対して不利となってしまいますが、ディープレスト様では配送での貸出しを行うことでその難点を払しょくしています。法人顧客からは配送のニーズが強いため、それに合わせた貸出し方法となっています。また、長期貸出のみであることから高い稼働率に対して貸渡回数が少なく済むため、配送を行っても高い業務効率を発揮できています。

ディープレスト様とは対照的に大手のレンタカー会社では駅前立地・短期貸出し中心・店舗での受け渡しのビジネスモデルとなっています。同じビジネスモデルであれば立地やブランドで優れる大手に勝つことは難しいため、ディープレスト様では上記の特徴を持つ独自のビジネスモデルで大手と差別化できていることが成功要因となっています。

 

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本コラムをここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
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レンタカービジネスに取り組まれている方、これから立ち上げを検討されている方はぜひ一度特設サイトにて内容をご確認ください!

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このコラムを書いたコンサルタント

宮原 拓司 (みやはら たくじ)

整備部門向けのマーケティング支援を行い、特に現場に密着した収益性アップ支援には定評がある。弊社で開催している車検アカデミーで講師・ファシリテーターを務めている。

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