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「出店」か「異業種」か「DX」か!?自動車販売店の成長戦略

コラムテーマ:業績アップ

モビリティビジネスニュースをご覧いただいている皆様、いつもありがとうございます。
船井総合研究所 モビリティ支援部マネージングディレクターの服部憲です。

自働車業界はメーカー、大手の不正など、ネガティブなニュースが多い時期が長く続いています。
ですが、企業経営の中では売上成長、利益成長へ向けた戦略を練らなければなりません。
多くの経営者の方々とお話をする中でこの時期に立てる戦略の難易度が高まっているようにも思います。

今回は自動車販売店が成長するために必要な戦略についてお伝えしたいと思います。

 

◆売上成長の王道!出店拡大戦略

自働車販売店の大手やディーラー企業が必ず初期の成長戦略に置いていたものが、出店戦略になります。

現在はある程度出店が落ち着いてくることで、「大型化」の流れが出来てきています。
ですが、基本的にはBtoCの小売・サービス業において出店無くして売上成長はあり得ません。

1店舗あたりの売上を高めることで、収益性を上げる手法もありますが、
業態やビジネスモデルごとに一定の限界が生まれます。

例えばリース販売事業であれば、サービス売上込で5億円が限界と思えば30億円の売上目標を掲げるならば、6店舗展開が必要になります。

ビジネスを理解して、商圏内・県内の一番企業を目指すうえでは30億円以上の売上を計画していかなければなりません。
ヒト・モノ・カネの問題で出店計画が出せない経営者の方も多いかもしれませんが、
これからの時代、スピーディーに勝負をしなければ大手との競争には勝てなくなるでしょう。

売上成長させなければ、企業内の変化、事業の変化を考えることも減りますし、現状維持になると給与水準の問題で採用も難しくなり、離職も増えていき、高齢化が過剰になってしまいます。
ぜひ自社は自動車販売・整備業を軸足として、とお考えの経営者の方は出店戦略を立てる意識を持っていただければと思います。

 

◆異業種を活用する成長戦略

次に異業種展開ですが、自動車販売業は異業種戦略が立てづらい業種です。

自働車販売業は、客単価が50万~100万円は取れるビジネスであり、異業種は住宅販売業を除きほとんど客単価が上がるビジネスがありません。同じ売上を上げようと思うと10倍以上の客数を必要とする傾向があるため、経営者の方が敬遠しやすくなります。
異業種系は今までも、飲食業・サービス業を中心に展開される企業も多いですが、誰でもやりたいものではないのも事実でしょう。

そのため、自動車業界で異業種展開を考える上で、オススメしたいのは以下の事業です。

まずは類似・周辺業種を優先して考えて頂くことはオススメしています。

ガソリンスタンド、カー用品、洗車・コーティングなど、自動車関連となる異業種展開がスタートとしては重要です。
ここで一度客単価を下げることが出来ると、他業種への展開イメージも掴みやすくなるでしょう。

ですが、あくまで周辺業種も異業種ですので、ビジネスとしてのシナジーは生まれても、顧客の連動性、顧客管理方法など会社としての不具合は生まれるかと思います。
そこを新たなシステムを開発するなど、ビジネスとしての精度向上へ向けたソフト投資は考えなければなりません。

経営者がビジネス視点を変えるためにも、異業種展開への検討はぜひ行って頂きたいと思います。
ポイントは、

①客単価が下がる異業種展開は選択しづらい

②それでも異業種展開するなら住宅関連がベスト

③客単価を下げても選択しやすい事業は周辺業種

④そこでビジネス発想の変化を生み、他業種へ意識を向ける

ということです。

 

◆自動車販売業のDX化戦略

DX化というキーワードは明らかに増えたと思います。

多くの経営者の方が見慣れた、見飽きた言葉ではないかと思います。
ですが、見飽きるほどに出てくるキーワードが時流であることは間違いありません。

日本はデフレ経済が長く、失われた30年と言われているほどに長期のデフレ時代を歩んできました。
デフレ下では、「良いものをより安く」の意識が高くなります。
これは販売量を増やすうえでは効果的ですが、利益率を取りづらいビジネスの為、結果的に従業員の賃金へ影響を与えられるほどにはなりませんでした。

良いものをより安く、より使いやすくというのは、非常に日本のイメージに合致するものですが、ビジネスとしての弊害も生んでしまったのだと思います。
この切り詰めてでも商売を続ける意識が、業種を問わず、様々な企業で不正や違反が生まれる原因ともなったのかもしれません。

では、DX化はなぜ必要なのか、ですが

①過剰な労働力を抑え、労働生産性を高める必要がある

②ソフト面でのサービス力・管理力向上が付加価値を高める

③経営側の管理能力が上がれば、経営のスピードが上がる

④結果的にすべての従業員・顧客満足度が高まり、賃金も上がる

ということが挙げられます。

インフレ経済が主になることを考えれば、必ずモノの単価は上げなければなりません。
価格競争だけがビジネスとして勝つ手段ではない時代が来ます。
そうすると、同じ商品を売っていても、ソフト面が強い企業でなければ勝ちきれない環境になります。

DX化は何より、ソフト面を強くするための大事な勝つための手段になります。

店舗を増やそうが、取り扱い業種を増やそうが、社員を増やそうが、
必ず管理がアナログ、煩雑になればなるほど、使うシステムば増えれば増えるほど、
目に見えて業務量が増えていきますし、間接人員が増えてしまいます。

だからこそ、このような投資が必要になっていくのです。

船井総研も、もビリティグロースクラウドという顧客管理・マーケティングのシステムを用意しており、
Zohoを活用した開発で常にアップデートを重ねております。
https://dx.funaisoken.co.jp/zoho/solution/page-421/

今後の企業成長、次世代に繋ぐということを目指すためには、
最適なデジタル化・DX化戦略は必須になっていきますので、
どのような規模の会社においても重要なテーマであることは間違いありません。

船井総研では前述のような事業戦略だけでなく、DX化に向けた事業戦略の構築も行っております。

明確でなくとも成長戦略を立てる上でご興味がある方はぜひご相談頂ければ、
無料で経営相談のお時間を用意させて頂きます。いつでもご連絡頂ければ幸いです。

 

 

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このコラムを書いたコンサルタント

服部 憲 (はっとり けん)

船井総合研究所入社後、モビリティ支援部において、自動車メーカー・自動車正規ディーラーをはじめ、 中古車販売業、自動車整備業の業績アップのお手伝いをしている。既存事業の業績向上を始め、事業戦略・新規ビジネスの支援、評価制度・組織活性化の支援まで実施している。衰退業界において「即時業績アップ」を信条に、販売・整備・鈑金・組織活性化・財務・M&A等幅広い分野での具体的な提案に各経営者から好評を得ている。

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