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新車の減産問題・中古車の相場高騰の状況下で販売店に出来る解決策

コラムテーマ:事業戦略

コンサルタントコラムをお読み頂いている皆様、いつもありがとうございます。
船井総合研究所 モビリティ支援部マネージングディレクターの服部憲です。

今回は自動車販売店の今後の対策をお伝えをさせて頂きます。
商品流通減で未曽有の環境に陥っている自動車業界の中で上手く事業転換をされている企業様についても本コラムにてご紹介できればと思います。

 

◆いつまで続く?自動車流通減・インフレの混乱


自動車業界は、過去類を見ない商品不足に見舞われております。
コロナ禍に入り最も業界が苦しい状況になっているのではないかと思います。
新車は半導体不足、工場の稼働停止、戦争による原材料の調達不足などによって工場の稼働停止が毎月・毎週のように実施されています。

中古車業界は、新車の生産減によりこの2年間で高年式中古車の流通減が顕著となり、相場は120%程度上昇する状況が続いています。世界的な商品不足により輸出需要も相まって今後下がる予想は難しいのが実情かと思います。

新車納期も6ヶ月以上かかる商品・メーカーも増えている現状で、モデルチェンジ・仕様変更のたびに大幅な定価アップ&インフレ化は、必然の環境になってきております。

各メーカーの発表でも、向こう1年間は問題が続くと言われておりますし、新車の健全化が出来ない限り、中古車流通の相場の安定も実現しないと思います。

インフレはされても顧客の生活における消費予算は上昇しない環境の中で販売店はそれぞれ事業への考え方を変更していかなければなりません。
今は、投資タイミングではない、もっと様子を見なければと思われている企業様は後れを取る可能性があります。

 

自動車販売店が何をするべき?~新車販売店~


では新車販売店は何を意識していかなければならないのか。

①新車販売窓口を増やす
➁新車販売店舗を増やす
③新車取り扱い量を増やす

ということが必要になっていきます。

①新車販売窓口を増やす

新車販売窓口とは販促媒体についてです。

各社ホームページやLPを制作されている会社様も多いかと思いますが、
新車リースという窓口だけで足りるのか?
軽自動車、普通車など小さなカテゴリだけで足りるのか?
は考えていかなければなりません。

それぞれをまとめるにあたってサイトの整理、分かりやすく改良することは必然になります。

皆さまのホームページやLPは消費者目線で見やすい、使いやすいものになっていますでしょうか?
流入数を増やすためのブログ・記事は増やせていますでしょうか?
さらにSNS関連への取り組みは出来ていますでしょうか?

自動車メーカーや異業種からの参入も増える、新車販売業界ですので、取り扱っているところで進捗を停止させないように、デジタル面での改良やアップデートを意識してください。

➁新車販売店舗を増やす

続いて店舗数ですが、1店舗の枠組みだけにとどまらず、商圏を広げる意味やメンテナンス拠点を作り上げる目的を考えても、事業拡大のための店舗増加計画が重要になります。

③新車取り扱い量を増やす

新車取り扱いも軽自動車だけで良いのか、一部普通車を取り扱えるのか、リース・サブスク・クレジットなど様々な支払方法に対応できるのかも企業の成長戦略においてとても重要です。

その点、トヨタ自動車グループにて新車のサブスク事業を行っている、KINTOの事業戦略は非常に参考になると思います。
規模の大きな自動車メーカーの戦略ですが、販促もTVCM中心からWEB広告、動画広告を増やしていき、様々なサイトを増やしていきながら、購入方法を増やしつつ顧客獲得間口を増やしています。
地域密着の中小企業においては、地域レベルに落としてしっかりと展開をしていかなければなりません。

弊社の経営研究会会員企業様においては、6月15日の経営戦略セミナーにおいて、株式会社KINTO 代表取締役 小寺信也氏にご講演をいただきますので、ぜひ聴講頂ければと思います。

 

自動車販売店が何をするべき?~中古車販売店~


では中古車販売店は何を意識していかなければならないのか。

①商品レベルを少しずつ落としていく
➁商品化(PDI)機能へ投資をしていく
③販促のアップデートをしていく

ということが必要になっていきます。

①➁については、中古車販売店の課題となります。
顧客ニーズとなる予算は上がらない中、価格相場は上がるのが現状の為、販売店は少しずつ商品レベルを下げていかなければなりません。

そうすると、中古車販売の王道であるオークションで状態のいい中古車を仕入れ、手を掛けずに販売するという流れは成立しづらくなるのです。
ただこの王道に固執すれば、大手チェーンとの戦いが激化することは必至のため、在庫量・在庫価格が増える為よりいっそう資金力が必要になっていきます。

その為、中古車販売の価格帯を下げ、年式を下げ、その分商品化センターを自社内に構築していく事が大事になります。
そうすることで、手間は増えますがニッチトップの事業展開が可能になり、大手との戦い方も容易になっていきます。

③販促のアップデートをしていく
これはポータルサイトだけに頼る状態から脱出することを目指す必要があります。
あくまでポータルサイト主体であることは変わりませんが、自社のホームページに在庫を掲載し、自社からの発信もしていく体制を目指さなければなりません。

旧態依然の状況が続く企業様は改めて改善をしてもらいたいと思います。

 

人口減・業界再編の中、様々な課題をお持ちの企業様へ


人口減となり、軽自動車ユーザーの大半が60歳以上の世代に集約されていきますし、軽自動車か乗用車SUV車にニーズが二分されていく可能性が高い状況ですし、EV・PHEVの普及も進むことが考えられます。そのため、販売業・整備業をやられている企業様も今後の方向性に不安がある企業様も多いかと思いますし、DX化に向けた取り組みにおいてもどう進めるべきか悩まれている企業様も多いと思います。
もし様々な内容にてご相談がある場合はお気軽に船井総研までお問い合わせください。

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このコラムを書いたコンサルタント

服部 憲 (はっとり けん)

船井総合研究所入社後、モビリティ支援部において、自動車メーカー・自動車正規ディーラーをはじめ、 中古車販売業、自動車整備業の業績アップのお手伝いをしている。既存事業の業績向上を始め、事業戦略・新規ビジネスの支援、評価制度・組織活性化の支援まで実施している。衰退業界において「即時業績アップ」を信条に、販売・整備・鈑金・組織活性化・財務・M&A等幅広い分野での具体的な提案に各経営者から好評を得ている。

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