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来場理由・お客様の行動動機を高い精度で収集する

コラムテーマ:自動車販売

平素よりお世話になっております。
船井総合研究所の加藤智です。

今回は自動車販売店におけるアンケートの取り方、お客様情報の収集方法について警鐘を鳴らしてまいります。

いきなりですが、皆様の店舗では、お客様情報を正確に集められていますでしょうか。

たとえば、下記のような新規来場のケースにおいて、どのように集計処理するのが適切なのでしょうか。
(皆様の店舗ではどのように集計しますか?)

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既存ユーザーの方が折込チラシをご覧になり、紙面のキャンペーンを見て代替購入意欲が高まり来店を決意。
チラシには来店予約特典が紹介されたQRコードが掲載。
ついでに来店予約も欲しかったため、QRコードを読み取りLPへ流入、来店予約フォームに入力後、実際に来店した。
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いかがでしょうか。
おそらく皆様の店舗においても商談アンケートや来場アンケート等を用い、必ずお客様情報を収集していることと思います。

実は、その慣習に思わぬ落とし穴があるかもしれません。

 

その営業データ集計、正確ですか?

まず、日頃のアンケート集計により今集まっているデータを疑うところが今回のスタート地点です。

・「チラシ」と集計されている顧客は本当にチラシ経由なのか?
・「看板」と集計されている顧客は「通りがかり客」なのか?「野立て看板」経由なのか?
・「WEB」と集計されている顧客は「ホームページ」なのか?「専用ランディングページ」なのか?

上記は少しでもニュアンスが異なると経営者が広告費を配分をする際に誤った選択を招いてしまうことがあるかもしれません。

それでは、正確な集計方法について、4つのステージに分け、解説していきます。

 

【ステージ1】アンケートで来場の動機を聞けており、アンケートを見れば数値がわかる

全てはここからです。
アンケートを収集していないと正確な情報が集まりません。

口頭のみでこの段階を省いてしまうと先述したような「営業スタッフの決めつけ」による誤集計が生まれてしまうのです。

 

【ステージ2】アンケートデータを集計しているため、常に可視化できている

そして、上記で収集した情報をきちんと集計し、可視化できている状態が次のステージです。

いつ見ても、来場顧客特性が数字で管理されている。
この状態こそが理想です。

可能であればクラウド管理していきたいところです。
専用アプリや有料システム等のデジタル投資ができないという企業には無料ツールのGoogleドライブがおすすめです。
経営者はこの数字を日々分析し、次の広告宣伝計画を練ることとなります。

 

【ステージ3】お客様が見た販促媒体を複数把握、集計できている

そして次のステージが1名のお客様から2媒体以上の来場動機情報を収集する段階です。

チャネルミクス、複合販促などが普及している今、お客様の視点でも来店に際し、複数の媒体を見ることが当たり前になりつつあります。

“AISAS”モデルにあるように、お客様は興味を持った商品に対してまずは「検索」する時代です。

「チラシ」を見たお客様が同時に「販売HP」や「YouTube」なども確認している可能性があります。

この現状を、きちんとアンケートで拾いきらなければなりません。

これがもし一つの媒体しか拾い上げることができていないと本来は効果を発揮している媒体の成果を見逃してしまいます。

動画広告系(TVCM、YouTube広告、デジタルサイネージ等)や看板広告系(野立て看板、電柱看板、捨て看板等)、上記の認知拡大系広告はこのような手法でヒアリングを行わないとなかなかアンケートでチェックが入らない媒体ですので要注意です。

そのために、アンケート上には自社が展開している広告媒体の写真を全て掲載し、「見たことがあるものすべてにチェックを入れてください」という一言を記載すると複数の媒体調査が円滑に進みます。

 

【ステージ4】来店のきっかけ・その他閲覧した媒体を正確に把握・整理でき、集計している

最後のステージが、いま述べた「複数媒体の調査」を”正確”に整理でき集計しているかどうかという点です。

つまり、その集計データが正解かどうかという点がステージ3との唯一の違いとなります。

ステージ3にて解説した形態のアンケートを用い、記入が終わったお客様へ「この中で、”行ってみようかな”と思ったきっかけの広告は1つ選ぶとしたらどちらになりますか?」こう聞いてみてください。

いただいたアンケートだけではなく、追加で質問し、深堀をすることでより正確な情報を集めることに繋がります。

 

正確な情報こそが経営者にとっての価値

既存ユーザーの方が折込チラシをご覧になり、紙面のキャンペーンを見て代替購入意欲が高まり来店を決意。
チラシには来店予約特典が紹介されたQRコードが掲載。
ついでに来店予約も欲しかったため、QRコードを読み取りLPへ流入、来店予約フォームに入力後、実際に来店した。
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冒頭で示したこちらの例。
ステージ4に倣い、模範解答をまとめるとすると
顧客属性⇒「既存ユーザー」
来店のきっかけ⇒「折込チラシ」
その他見た媒体⇒「専用ランディングページ」

となります。

上記を「チラシ」のみで片付けてしまったり、「既存客」のみで片付けてしまうと実際には効果を発揮している販促媒体の成果が全く見えなくなってしまうのです。
このような集計の罠に陥ることの内容、正確に集計するための現場オペレーションを今一度見直していただけますと幸いです。

 

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このコラムを書いたコンサルタント

加藤 智 (かとう さとし)

大学卒業後、船井総合研究所に入社。歯科医院・治療院・調剤薬局のコンサルティング部門を経て、モビリティ支援部に配属。 モビリティ支援部では、マイカーリースに特化したスタートアップオープン支援および販売台数アップ支援を担当している。特に販促物の作成や店舗作り、細やかな数値分析には多くの経営者より定評がある。

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