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自動車業界再編の中、モータース企業の未来はどうなるのか

コラムテーマ:事業戦略

いつもご覧いただき、ありがとうございます。

2021年も終わりを迎えようとする中、来年の事業計画を立てられている経営者・事業責任者の方も多いかと思います。
ワクチン接種が進み、感染者数が減少し、経口治療薬も目前の今、本格的なアフターコロナに突入する入り口に立っています。未経験の環境が続いている中で、未来戦略でお悩みの企業様も多いかと思います。
そこで今回は2022年の事業計画を立てる一助となるように、自動車業界の時流について少しお伝えしたいと思います。

 

商品戦略で売上成長を狙うモータース事業の限界

自動車販売・整備の事業において、この10年間とこれからの10年間では大きな違いが起きています。

自動車業界、特に中古車販売業界において商品戦略はとても重要な戦略でした。売れる商品で1番在庫を持てるかどうかで売上の成長スピードが変わっていたのがこの10年間です。商品の専門特化が中小企業が勝つための最重要事業戦略でした。

しかし、現在は10年前と比べ、市場規模は変わらずとも大手チェーン3社の売上合計は2倍以上になっています。恐らく各地域の中古車販売・整備業を営む企業にとって競合環境は激化しているのは間違いないでしょう。1,000坪の自動車販売店、300坪以上の整備工場は大きいと言われていた時代が、2,000坪規模でも大手の半分ほどの店舗サイズとなってしまう時代になってしまいました。地域一番店は50台商品を持てばなれた時代から、100台でも心もとない時代へ変わっています。
そして10年前と比べ、新車販売においてはバリエーションが多岐に広がり、ディーラーの推進する「新車×残クレ」はもちろんのこと、専業店においても「新車リース販売店」が増え、「新車低金利販売店」も登場し、リース事業においては自動車メーカーがデジタルを活用し一気に推進している時代になりました。

デジタル・WEB販促も、ポータルサイトしかなかったものが、ディーラーや大手を中心に各社が広告費を増やし、サイトを高品質に改良し、Youtube・Instagram・LINEなどのSNSも駆使するようになりました。

商品を最低限持ち、少し看板やのぼりを変え、ちょっとしたホームページを作り、チラシと少しの販促で戦える時代ではなくなりました。

それほどまでに、自動車業界(特に小売・流通業)における再編が進み、上位と下位の差が広がり続けている証拠です。

 

既存のモータース事業は大手と戦える事業戦略&DX戦略が重要!

先ほども述べたように、大手企業の規模が拡大していき、自動車ディーラーにおいても中古車販売と新車販売バリエーションを増加させていく、いわゆる包み込み戦略が加速しています。

全国各地で経営されているモータース企業の皆様は、すべての戦略が「対大手」を軸に戦略策定して頂くことが重要です。逆に言えば、大手は自分たちにとって程遠い存在だとして、変化できない企業は衰退していくことは間違いありません。専門特化と規模対抗ができる体制づくり、そして設備投資は重要です。

そして、既存事業を行いながら必須で行わなければならないことは『DX(デジタルトランスフォーメーション)』です。

今まで、接客・営業、顧客満足度アップ・顧客とのコミュニケーション、そして管理(事務・経理など)においてデジタル化、DX化を進めて頂くことが何よりも大事です。
「やっぱり、営業の基本は訪問だ」「電子ツールの連絡よりも対面・電話が大事だ」「人の手作業でなければ信用できない」と言っているスタッフや経営者の方がいらっしゃるならかなり危険です。

自動車業界は様々なシステム会社が存在していますが、現在はあらゆるデータが紐づくことができ、アナログ管理だったものが自動化されていくのが当たり前です。賃金上昇が当たり前の時代だからこそ、1人のコストは上がり、仕事1つ1つの価値や生産性を高めなければいけません。

マーケティングにおけるホームページやポータルサイトを活用したデジタル・WEB販促、SNS活動などは当たり前ですし、見込客・管理客へのアプローチもデジタル化・自動化されていくことが当たり前になっています。

皆さまの企業では、どのように変化していらっしゃいますでしょうか。
あまり変わっていない企業様も2022年以降の戦略にぜひDX化を具体的に掲げて頂きたいと思います。

 

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このコラムを書いたコンサルタント

服部 憲 (はっとり けん)

船井総合研究所入社後、モビリティ支援部において、自動車メーカー・自動車正規ディーラーをはじめ、 中古車販売業、自動車整備業の業績アップのお手伝いをしている。既存事業の業績向上を始め、事業戦略・新規ビジネスの支援、評価制度・組織活性化の支援まで実施している。衰退業界において「即時業績アップ」を信条に、販売・整備・鈑金・組織活性化・財務・M&A等幅広い分野での具体的な提案に各経営者から好評を得ている。

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