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自動車販売会社における『一人当たり粗利』計算のポイント

こんにちは。

船井総合研究所 HRDコンサルティング事業本部 オートチームの井上晴見です。

 

本日は、「自動車販売会社における『一人当たり粗利』計算のポイント」というテーマでお伝えいたします。

 

一人当たり粗利は、読んで字のごとく、

 

粗利額÷人員数

 

と計算します。しかし、この粗利額と人員数の範囲をどのように取るかで、計算目的や結果の見方は大きく変わってきます。

 

例えば、

 

①車販部門粗利額÷営業マンの数

 

と計算すると、車販部門における営業マン一人当たりの粗利が算出されます。では、これが許容範囲内だったら問題ないのでしょうか?

 

実は、これだけでは不十分です。営業活動は、営業マンだけで成り立っているわけではありません。車販部門付きの事務員が裏方を担っています。そのため、車販部門全体で粗利と人件費のバランスを見るためには、

 

②車販部門粗利額÷(営業マンの数+車販部門付きの事務員の数)

 

と計算しなければなりません。両方出して比較してみると、ある仮説が浮かびます。

①②とも許容水準を上回っている→生産性問題なし

①は許容水準を上回っているが、②が許容水準を下回っている

→車販事業に問題はないが、事務員の給料が高いか事務員数が多い

①が許容水準を下回っている→事務員の人数云々以前に、車販事業に問題あり

 

事務員が車販部門の仕事だけをしているわけではない場合は以下のように計算します。

 

③車販部門粗利額÷(営業マンの数+事務員の数×車販部門の業務比率)

④(車販部門粗利額-事務員の人件費×車販部門の業務比率)÷営業マンの数

 

部門別でなく、店舗別の粗利を計算する場合、計算式は

 

⑤店舗別粗利額÷店舗人員数

 

となります。こちらも、分解して比較してみると色々なことが分かります。

 

⑥店舗内車販事業粗利額÷営業マンの数

⑦店舗内車販事業粗利額÷(営業マンの数+事務員の数×車販部門の業務比率)

⑧店舗内サービス事業粗利額÷メカニックの数

⑨店舗内サービス事業粗利額÷(メカニックの数+事務員の数×サービス部門の業務比率)

 

⑥や⑧が許容水準を上回っているのに⑦や⑨が許容水準を下回っている場合、事務員の給料が高いか事務員数が多い可能性があります。

 

また、⑤が適正でも、分解してみると⑥が高く⑧が低い場合、車販からアフターへうまく誘導できていない可能性があります。近年はアフターの重要性が上がってきているため、この状態が長期的に続くと危険です。

 

このように、一人当たり粗利を計算するにあたっても、計算の範囲の取り方によって色々なことが分かります。

 

他にも「ヒト」の観点から生産性を計算する方法は色々あります。実際に私自身、企業からこうした分析依頼を受けることは良くあります。

 

しかし、こうした分析を行うにあたりネックとなるのは、

・分析に必要なデータをそもそも取っていないこと

・データがあってもその正確性に問題があること

・データのとり方や管理方法がバラバラなこと

です。最も重要なのは、日ごろから正確なデータをコンスタントに取っておくことと思います。

 

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株式会社 船井総合研究所

HRDコンサルティング事業本部 オートチーム 井上晴見 宛

 

TEL:03-6212-2931

 

MAIL:h-inoue@funaisoken.co.jp

 

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このコラムを書いたコンサルタント

井上 晴見 (いのうえ はるみ)

「厳しい時代でも戦える組織と社員をつくること」をモットーとし、規模・業界・業種問わず人員計画 策定・社員教育・人事制度構築等人事関連のコンサルティングを行っている。

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