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新車リース取扱店の2022年以降の方向性

コラムテーマ:自動車販売

平素よりお世話になっております。
船井総合研究所の加藤智です。

今回は私が日頃から担当させていただいております
「新車リース」というビジネスモデルの行く先を
紐解いてまいります。

新車の納期長期化という業界内でも激しい向かい風が吹く中、
さらには新車リースというビジネスモデルが成熟し始めている状況下で
どのような店舗・企業が勝ち残るのか、まとめていきます。
ぜひ中長期的な視点から、ご参照いただけますと幸いです。
 

他のリース店との差別化が図れているか?

2019頃より、新車リース市場の活況とプレイヤー数の大幅な増加により
自店にて他店との明確な差別化を図らなければ
生き残れない時代となりました。

ここで、新車リースというビジネスモデルが業界内で脚光を浴び始めた
2016年からの流れを振り返ってみたいと思います。

【2016年】
現主要母体によるFC全国展開と加盟店募集本格開始

【2017年】
新車リース専門店の出現と専門店化の加速(ハード面での差別化)

【2018年】
商圏内一番の販促量で地域一番店が全国各地に点在(販促力での差別化)

【2019年】
デジタル販促の常識化によるリース商品の乱立

【2020年以降】
コロナ禍突入と新たな付加価値訴求による独自化

2016年より急激に増えた新車リースの取扱店は
まずは専門店化による商圏内での差別化を進めます。
ハード面を整えた新車リース専門店は次に販促力を強化し
WEB広告などのデジタル販促が主流ではなかった当時は
新聞折込チラシなどの紙媒体を中心に広告宣伝を実施しました。
当時は、大量のご成約特典などで他店との差別化を図れたのですが、
どの店舗でも同様の特典を設けたことで、
次第に商圏内で独自のポジショニングを確立することの
難易度が上がっていきます。

そこで、新車リース販売店の集客において
新たな火付け役となったのがデジタル販促です。
今ではWEB広告に取り組んでいない繁盛店はないと言ってもよいほど、
広告宣伝の主軸に成長していますが、
日々レギュレーションが変化しているWEB上において
都度、反響を出し続けること、
良質な費用対効果を維持することは
並大抵のことではありません。

このような時流に乗り切れない店舗は
目先の販売台数に伸び悩み、脱落していきました。

そして2020年以降、プレイヤーとなる店舗数が乱立したことから
他店との明確な差別点・強みを打ち出せない店舗は
集客に苦しむこととなります。

 

2022年、勝ち残る店舗になるには?

いまや、大量のご成約特典や
デジタル販促をやっているだけでは他店との差別化を図れません。
ガソリン割引特典、鈑金保証、洗車機サービス、
商品の豊富さ、信販窓口の多さ、
自店独自の付加価値を訴求することで差別化を図ります。

そして2022年、新たに目を向けていきたいのが
顧客体験価値(CX)です。
ここまでご紹介した差別化手法は大前提であり、
カスタマーエクスペリエンス(:以下”CX”)と
呼ばれる顧客体験価値を重視し、
顧客との接点頻度向上、
ロイヤリティアップを意識していくべきです。
結果的に、リース契約顧客の防衛率を
上昇させる効果もあります。

CXとは、物理的・合理的な満足度のみならず
感情的な満足度をも追求する概念を指します。
商品力の向上や物理的・合理的な満足度の向上は
競合各社も必ず強化に着手するため、
下記施策で他社リース店、自動車販売店と
差別化を図りたいところです。
 

①顧客のオイル交換および法定点検の入庫率アップ

・信販会社からの定期連絡を活用すると同時に
 自店からのご案内の見直しと徹底

・自社アプリなどでメンテナンスを通知している企業は
 アプリの作動チェックと更新を必ず実施
 

②NPS評価による顧客ロイヤリティの可視化

・NPS評価をリース契約客およびサービス利用客へ実施し、
 顧客ロイヤリティの現状を可視化する

 ※NPS評価・・・0点~10点の11段階で現状の顧客ロイヤリティを計測
         10~9点:推奨者 / 8~7点:中立者 / 6点以下:批判者

  例:「 ××(店舗名)のサービスをご家族やご友人に
     紹介したいと思いますか? 」
      ⇒車検時に店頭でお客様アンケートを実施する
 

③お客様の”感情的満足度”が上がる施策の実施

・恒常的施策  :試乗 / 人気車乗り比べ / 衝突被害軽減ブレーキ体験
・単発的施策  :感謝祭 / 周年祭 / オープンイベント
・固定客化施策 :ガソリン割引サービス / 洗車機利用サービス
   鈑金サービス /カフェなどの異業種サービス付加
   入庫時の店頭サービス
        (マッサージチェア・定額メディアの提供etc..)
     友人知人への紹介体験 / バースデー企画 etc..

現状、”モノ”(コモディティ)は供給過剰であるため、
”コト”で独自の存在ポジションを確立しなくてはなりません。

”コト”売りへの変遷における第一ステップは
「顧客との接点づくり」になります。
契約上半年に1度のペースで入庫がほぼ確約されている状況で
リース契約客との間で接点を生み出せない会社は
今後生き残れないと捉えるべきです。
そのような会社はリースアップのタイミングで
顧客流失が加速するでしょう。

また、顧客へ与えている満足度が一商品・一サービスに対する
合理的なもののみであれば顧客は浮気してしまいます。
喜びや感動、驚愕などの付加価値を
お客様に提供し続けていかなければいけないということです。

サブスクリプションということもあり、
7年間顧客情報を握ることができるわけですが、
真に企業と顧客とが繋がっている状態でいないといけません。

お客様のCXが向上できるよう、
適切な来店頻度を保ち、よい関係性を築いていきましょう。
 

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このコラムを書いたコンサルタント

加藤 智 (かとう さとし)

大学卒業後、船井総合研究所に入社。歯科医院・治療院・調剤薬局のコンサルティング部門を経て、モビリティ支援部に配属。 モビリティ支援部では、マイカーリースに特化したスタートアップオープン支援および販売台数アップ支援を担当している。特に販促物の作成や店舗作り、細やかな数値分析には多くの経営者より定評がある。

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