株式会社 船井総合研究所の宮原です。
本日はレンタカー事業のDXに関するコラムをお届けします。
成長市場であるレンタカーは近年注目度が上がっており、船井総合研究所としても相談を頂く機会が増えています。
その中でも課題となっていることの一つが、「非効率な管理体制」です。
ホワイトボード等を使ったアナログな管理手法や顧客データや請求書データを切り離して管理してしまっている企業も多く、事業の拡大に伴いミスや二重入力が発生しています。
本日は上記のような課題をデジタル管理によって解決し、独自のカスタマイズを進め、業務効率を高めている企業の事例をご紹介します。
非効率な管理体制で生じる業務課題
適切なシステム導入や管理オペレーションが構築されないまま、レンタカーの台数が増えてしまった企業では、アナログな管理手法やデータが複数のシステム間で点在することにより、下記のような業務課題が発生します。
•車両管理の煩雑化
車検や点検の期日管理が煩雑になり、点検や車検が漏れてしまうリスクが高まります。特に、ホワイトボードや紙台帳などで管理している場合は、記載間違いや見間違いなどのちょっとしたヒューマンエラーで車検切れの車両を貸し出してしまうといったコンプライアンス違反に繋がってしまいます。
また、アナログ管理では予約が空いている車両を探す際にも目視での確認となるため時間がかかります。お客様から電話で問い合わせがあった際など、長時間お待たせすることになると顧客満足度の低下にもつながります。
•顧客管理の不備
顧客情報が分散しているため、過去の利用履歴や要望が把握しづらく、顧客に合わせたきめ細かいサービス提供が困難です。リピーター向けのセール等を企画する際にも、顧客情報が抽出できないため、断念するケースもあります。
•売上管理の遅延
売上データの集計や分析に時間がかかり、経営状況の把握が遅れるため、迅速な経営判断が困難になります。レンタアップ車両を売却して収益を出している企業では、中古車の流通相場や車両の生涯収支を把握したうえでスピーディーな売買の判断を求められます。「レンタカーで充分稼いでいるし、今月は中古車の相場が高いから売ってしまおう」という判断を、毎月データを根拠に行いたい企業様も多いのではないでしょうか。売上データの集計に時間がかかったり、レンタカーのコストが正確に把握できない状況だと、本来得られる売却益を損なってしまう可能性があります。
•情報共有の不足
多店舗出店をしている企業や自動車関連の事業を複数展開している企業では、店舗間や事業部間でレンタカーを共有するケースがあります。このようなレンタカーの活用方法の場合、別拠点にリアルタイムで情報共有できない体制であれば、予約を受ける際に毎回電話での確認が発生したり、ダブルブッキングなどのミスにより手戻りが起き、業務効率が低下します。
ノーコードツール「kintone」を導入し業務効率を改善した事例
中古車販売事業を主軸に展開するある企業では、レンタカー事業参入後、アナログ管理の限界を感じ、kintoneをベースに構築されたレンタカー管理システムを導入しました。以前はホワイトボードで車両や予約を管理していましたが、台数増加に伴い管理が煩雑化し、データの蓄積や分析も困難でした。レンタカー台数が100台近くになり、ホワイトボードは大判のものが3枚。車両配備のスケジュール作成や点検予定の確認に時間がかかり、スタッフの残業が常態化していました。システムを導入し、下記を実現したことで業務効率が改善し残業も大幅に削減できました。
•車両管理と拠点間でリアルタイム共有
システム内で車両ごとの予約状況を一覧化し、空き車両をすぐに検索できるようになりました。また、車検・点検が近い車両は自動で一覧化され、点検漏れのリスクも低減。
システム自体はクラウド型でIDとパスワードさえあればどこからでもアクセスが可能なため、レンタカーを使用する他店舗からでも空き状況がリアルタイムでわかり、予約が取れるようになりました。
•売上データの自動集計
売上データは登録している価格表と貸出日数から、予約作成時に自動で算出されるようになりました。月別や車両別といったセグメント分けされた売上データも見れるため、会議資料作成のためにエクセルでデータ編集するような作業もなくなりました。
•経営数値のリアルタイム管理
予約データや売上データをもとに、経営判断に必要な稼働率・車両別の生涯収支・貸渡回数などの指標が自動で集計できるようになりました。従来はエクセルを立ち上げて計算するか、そもそも定点観測をあきらめていた指標が自動かつリアルタイムで把握できるようになり、仕入れや車両売却といった経営判断のスピードと正確性が向上しました。
•自社に合わせたカスタマイズ
kintoneはノーコードツールと呼ばれる、プログラミングの知識が無くても業務管理のアプリが構築できるシステムであることから、自社の業務オペレーションに合わせてカスタマイズすることが容易です。事例企業においても、レンタカーに付随する様々な業務に合わせてカスタマイズを重ねています。例えば、お客様からのメール問合せに対する返信文のテンプレートを複数パターン用意し、kintone上に登録するカスタマイズを行っており、どのパソコンからもスムーズなメール対応が可能となっています。
中小企業のレンタカー事業DX成功のためのポイント
中小企業がレンタカー事業のDXを成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
1. 経営課題の明確化
DXを推進する前に、まずは自社の経営課題を明確化することが重要です。 DXは目的ではなく手段であるため、何のためにDXを推進するのか、どのような課題を解決したいのかを明確にする必要があります。
例えば、今回の事例企業では、ホワイトボードによる車両管理の煩雑化やデータ分析の遅れが課題として挙げられていました。 これらの課題を解決するために、kintoneを導入し、車両管理システムや売上管理システムを構築することで、業務効率化とデータ分析の精度向上を実現しました。
2. 現状の業務フローの見直し
DXを成功させるためには、現状の業務フローを見直し、改善する必要があります。 従来の業務フローをそのままデジタル化しても、非効率な部分は改善されません。 kintoneのようなノーコードツールを導入する際には、業務フローを可視化し、無駄なプロセスを排除することで、より効率的な業務フローを構築することができます。
3. 適切なツール選定
DXを推進するためのツールは、自社の課題や規模に合わせて適切に選定する必要があります。 kintoneは、中小企業でも導入しやすいノーコードツールであり、カスタマイズ性が高く、様々な業務に対応することができます。
しかし、kintone以外にも、レンタカー事業に特化したシステムや、より大規模なシステムなど、様々なツールが存在します。 それぞれのツールの特徴を理解し、自社に最適なツールを選定することが重要です。
4. 社内体制の構築
DXを推進するためには、社内体制を構築することが重要です。 DX推進の責任者を決め、プロジェクトチームを結成することで、DX推進をスムーズに進めることができます。 また、従業員に対してDXの必要性を理解させ、積極的にDX推進に参加してもらうための教育や研修も重要です。
5. 外部パートナーの活用
DX推進には、専門的な知識やスキルが必要となる場合があります。 自社にノウハウがない場合は、外部のパートナー企業に支援を依頼することも有効です。 船井総研では、kintone導入支援サービスを提供しており、レンタカー事業者様のDX推進をサポートしています。システム構築のみではなく、社員向け説明会やDX担当者の育成プログラムなど、システムを使いこなせるようになるためのプログラムも充実しています。
DXは、中小企業のレンタカー事業にとって、競争力を強化し、持続的な成長を遂げるための重要な取り組みです。 上記のポイントを踏まえ、DXを成功させることで、業務効率化、顧客満足度向上、コスト削減など、様々な効果を期待することができます。
是非今回の事例が、皆様の事業のDX戦略を見つめ直すきっかけとなれば幸いです。
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本コラムをお読みいただきありがとうございました。
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