船井総合研究所 モビリティ支援部マネージングディレクターの服部憲です。
自動車業界にとって激動の2022年が終わりを迎えようとしています。
皆様にとって2022年はどのような1年だったでしょうか。
今回は、2023年から一気に加速する業界の変化についてお伝えさせていただきます。
◆2023年も続く?自動車業界の仕入れ難…
2022年は何といっても、半導体不足、部品調達不足による新車生産・納車の遅延、そして新車遅延とロシア情勢に影響を受けた中古車のオークション相場の高騰に振り回された1年でした。
中古車の価格は乱高下する中で商品構成に苦慮し、販促に苦戦した企業様が多かったのではないでしょうか。
新車に関しては納期遅延により、売上が先送りになったり、キャッシュフローに苦戦した企業様も多かったのではないでしょうか。
そして、それは2023年もかなり長く続くのではないかと感じる企業様も多くいらっしゃるかと思います。
結論としては、新車は軽は改善、普通車はまだ時間がかかる流れ。中古車は高止まりとは言いつつも異常値価格は是正の流れになると思います。
◆なぜ新車市場で軽自動車は改善する可能性があるのか
まずは新車市場の方向性についてです。
現在も、普通車メーカーにおいては納期が一部改善しているとはいえ、依然として納期は6か月以上の車両が大半を占めている状況かと思います。
特にトヨタ、ホンダ、日産といった主要メーカーはなかなか安定供給を実現できていません。
逆に、軽自動車はダイハツ、スズキは徐々に回復傾向にあり、納期が3か月を切る車種も増えてきました。
それはなぜかといえば、生産に必要な半導体の種類によるものが挙げられます。
半導体の種類やランクは様々なのですが、現在の軽自動車車種に必要な半導体は比較的調達しやすいランクのものとなっており、ダイハツもスズキも生産が安定しつつあり、業績自体も回復しやすくなっています。
最新の機能を搭載した普通車のHV車やEVに関しては、IT製品とも競合するような高い品質の半導体を必要としているため、車種によってはなかなか調達が間に合わないという現実があります。
あるメーカーによってはまだ3年かかるかもしれないと言われているようです。
そのため、軽自動車は前のように2週間~1か月で納車されるという状況にはならずとも、安定して多くの車種で3か月以内での納車が可能になる方向になるのではないかと思われます。
そうするとメーカー・ディーラーも2023年においては販促もサービスも強化していく流れになりますので、より強いマーケティング力を必要としていくことになります。
軽自動車を中心とした自動車販売店の企業様は改めて、2022年を切り離し、商品価格・サービス価格・商品量にこだわってマーケティングを進めていただくことを2023年はオススメいたします。
普通車販売店の企業様は、新車においては商品よりも「買い方」に重きを置き、粗利率よりも受注台数に重点を絞りマーケティングをしていただくことをオススメいたします。
◆中古車は相場把握による価格・仕入れのリアルタイム修正できる企業が勝つ
中古車においてはオークション相場が異常に高騰した1年だったかと思います。
特に高価格帯の高年式ミニバン・SUVの高騰は新車定価をはるかに超えた価格帯にまで跳ね上がりました。
ただ、ロシア情勢などによる輸出相場の下落などが起きた10月以降は国内相場も少し落ち着きを見せ始めています。
普通車に関しては明らかに差損を生むような商品が目立つようになっていますし、オークションにおいては希望価格で落札されない車輌も多数発生している状況です。
2023年はどうなるのか。
コロナ前までは戻らないまでも、2020~2021年の相場に落ち着く可能性は高いと思われます。
もちろん、海外での人気車種は輸出で乱高下する可能性はあるものの、軽自動車は新車納期改善によって落ち着きを見せるかと思われますし、普通車は高いとは言いつつも定価を超えて取引される車輌は減っていくと思われます。
そのため、2023年は繁忙期中に2022年差損が出そうな車種は確実に売り切ることです。
そして、売りやすい仕入れ価格の商品を着実に仕入れて回転率をより高めることが求められます。
2023年はBIなどのデジタルツールを活用しつつ、オークション相場や小売り市場相場をしっかりリアルタイムで見定めつつ、中古車販売を進化させられた企業様が勝つことになると思います。
見えない市場を具現化するためにも、設備投資以上にデジタル投資を優先して頂くことをオススメいたします。
◆2023年以降の業界で勝てるのはDX化により生産性向上させる企業
2023年以降は、一気にコロナを忘れたかのように加速度的な変化が起きていきます。
小売り・サービスの業界においては、DX化した企業がよりピックアップされるようになります。
DXは商品や販促とは違い他社がやっていることを真似ればすぐに結果が出るようなものではありません。
DXに関しては、顧客満足度と生産性アップの2点がポイントとなります。
①顧客満足度とDXについて
顧客は常にデジタルデバイスにおいて、シームレスな環境が当たり前になっています。
ECサイトを開けば、自分に合ったオススメが常に提案されていますし、興味を引くようなオススメ商品が出れば定期的に案内が来るのが当たり前。
SNSでも自分に合った画像・動画は常に表示され、検索行動を必要としない環境が生活に根付きつつあります。
しかし、自動車販売においては、必ずポータルサイトや検索エンジンで自分に合った商品を探し続けなければなりません。それは顧客満足度の観点では非常に勿体ない状況。
だからこそ、常に情報を取得した見込み客へは最適な提案をし続ける体制が重要になっていきます。
顧客の検討期間が長期化している中で、我々がアナログな営業1人のマンパワーに頼った体制ではなく、切り捨てずに長い期間で自動的な提案をし続けることが重要です。
②生産性アップとDXについて
大手中古車チェーンや上場ディーラーの生産性は従業員1人当たり粗利で約1,800万円程度あるのが普通になっています。
年収の3倍は粗利を稼がなければいけないという、慣例からすれば平均年収600万円出せる水準ということになります。
各地の専業店で言えば、従業員1人当たり粗利が1,000万円程度が多く、良くても1,200万円程度です。この差は人材獲得競争が苛烈になる中でいくと、今後大きな差になり得ます。
やはり中小企業がDX化を進めて、総務・経理関係だけでなく、メインの営業や顧客接点におけるDX化を実現することが生産性を高める最大のポイントになると思います。
船井総研もDX化に向けたコンサルティングを広く行っております。経営相談をご希望の企業様はぜひお問い合わせいただけますと幸いです。





